考える馬券術

神の馬券術(キャプテン渡辺)を超える男

ウマ娘が気持ち悪い理由をマキバオーと比較する

ウマ娘ディスることになりますのでファンの方は読まないで下さい。
 
 
 評判は良いらしいですが、一話を見て気持ち悪くなり続きをみれません。
 僕は競馬ファンです。漫画では特にマキバオーが大好きです。
ウマ娘マキバオーも喋るし二足歩行するから同じようなもの」
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 というコメントを見ました。大好きなマキバオーをバカにされた気分です。マキバオーはギャグ漫画で、設定や出走ローテーション等々に無理があるのは確かです。しかしそれでも、つの丸の競馬へのリスペクトが溢れ、だからこそマキバオーは名作なのだと思います。ウマ娘にはとりあえず競馬人気だから作った嫌味を感じてしまうのです。

 

一話のあらすじ

 北海道から上京したウマ娘スペシャルウィークは日本一のウマ娘になることを目標にしています。初めてのレース見学で先輩サイレンスズカがぶっちぎりで優勝して憧れをもち、勝ったサイレンススズカのウイニングライブが行われます。その後競馬のグレードの説明を授業で受け、初めてのレースに参加します。レースは出遅れて2着ですが上がり3ハロン33.8の末脚を評価され、スピカ組に入部することになります。
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 スピカ組(ダイワスカーレットゴールドシップウォッカ)。この三頭はスペシャルウィークより馬体重のある馬なので身長が大きく設定されているのかもしれません。
【ツッコミ】
 スペシャルウィークが北海道からきた田舎者だとからかわれるシーンがあります。しかし牧場は広さが必要なので大体北海道や青森の田舎にあります(ウマ娘の世界ではわかりませんが)。ちなみにマキバオーは北海道鵡川の出身であることが1話で明言されており、北海道の中でも零細牧場出身の物語であることが暗示されています。

 

オス馬を少女に擬人化

 競馬の世界では牡牝(オス・メス)の力差は大きいです。3歳で一番強い馬を決めるとされるレースも牡馬三冠(皐月賞、ダービー、菊花賞牝馬三冠(桜花賞オークス秋華賞)と言われておりメス馬の多くは牡馬三冠に挑戦しません。混合戦においても2キロ程度負担を変えてハンデキャップとします。そのような理由もあり歴史的な名馬や最強馬として頭に思い浮かぶのはオス馬が多いでしょう。
 だからといってわざわざオス馬を少女にして走らせなくてもいいだろうと思うのです。馬なら馬のままでよいし、擬人化するにしても性転換する必要はないのです。そこにあるのはオタクに媚びる気持ちだけであり、競馬へのリスペクトの気持ちはないのです。

 

騎手の不在

 競馬は馬7騎手3(この割合は人と時代によってコロコロ変わる)と言われます。馬と騎手双方の力が1つになって乗りこなすことで初めて勝つことができる、人馬一体の走りとも言われます。騎手がいなければ馬はハイペースで走ってしまいゴールまで走ることができません。レースにおいて騎手の役割は非常に大きいのです。ウマ娘では擬人化した都合で騎手を大胆にカットしました。
 私見ですが、競走馬は人間のエゴで生きる動物だと思います。ただ速く走るために交配をかさね勝てなかったり怪我をすれば殺します。一方競走馬は人間のエゴとは別に本能のままに競争し成長していきます。生き方の単純さ、速く走るために洗練された美しさ、ときに人間に寄り添う愛くるしさに見る人は自身のエゴを忘れ、勝手ながらも感動してしまうのです。マキバオーにおいては騎手勘助とマキバオーの成長だけでなく、馬に関わるオーナサイド、厩務員、そして中央だけでなく競馬の原点である地方への巡業、やくざとの関わりまで描き上げました。単に強かったり可愛い馬が走って面白いという漫画ではないのです。競馬全体に対してのリスペクトが細部に宿るからこそ復活の有馬記念は感動するのです。
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 ウマ娘では馬にとって一番のパートナーである騎手がおりません。そのような状態で設定だけ煮つめたところでなんの意味もないし、リスペクトに欠けた態度であると言わざるを得ないのです。

 

ウイニングライブ

 レース後に馬だろうが人間だろうが満足に歌って踊ることなど出来るわけがありません。馬ならばローテーションに響くか予後不良になります。制作サイドのごり押しがあったのか、有名声優を使う以上はアニメ以外の販売促進をして儲けたかったのか、事情は分かりませんが・・・。